ワークスチームHRCの体制は既に知られているけれど、CRF450RALLYは他にも数台走ることが決まっています。
フェースブックを見ていると分かることなんだけど、アルゼンチンのチームサポートで3台走ります。
ライア・サンツ
めちゃめちゃ飛んでますね。しかし、スタンディングのフォームがかっこいい。女性と言うことを忘れそうなライディングです。彼女は簡単に言えばオフロード界の女王ですね。無敵です。ダカールは過去3回連続クラス優勝しています。
ジャン・アゼベド
一応・・真ん中の人です。 ダカール出場16回のベテランです。もちろん安定した走りで速いです。
パブロ・ロドリゲス
2013のダカールもワークス以外でCRF450RALLYに乗り走っています。2014は新型に替えてどこまで上位に食い込むのか期待です。
そして、この3名をサポートする南米のチームより依頼がありシートを製作しました。
ワークスマシンとはデザインも変えています。マシンはチームに到着し、これからデカールを貼り付けて仕上げですね。
そしてもう1つ
上の写真でシートに乗っかっている袋。車体カバーです。
屋根のないパルクフェルメやその他、雨や埃からマシンを守りたいときにカバーは必須です。
イタズラ防止にもなりますしね。昔、友人のサポートでダカールに行ったときフェンスの向こう側にカバーをかけられて並んでいるKTMのワークスマシンがありました。そのカバーにはたしか「この中に怪物が眠ってる・・・」みたいな洒落の効いた言葉が書いてありました。
そんなカバーを作って欲しいとオーダーがあったんですが、マシンはない・・・。
なので、寸法を数箇所拾って欲しいとお願いをしました。
もらった寸法で私のバイクをダンボールでCRF450RALLYに変身させてみたんですが・・
ひどい・・・・・KTM CRF450RALLYです。
社員に、なんですかこれは!?と言われましたが、これはCRF450RALLYだ、これをもとにカバーを作る。
たぶんうちの技術者も、写真を眺めている時間のほうが長かったと思う。
そして、カバーは徐々に出来上がり、想像も含めて「Fフェンダーはたぶんもっと短いから前のこの部分をもう少し詰めよう」とか、「このままだとカバーが地面に付くから短くしよう」「ハンドルとカウルの関係はもっと・・」あくまでも想像の中でブラッシュアップしていく。ふつうじゃ、こんな怖い仕事できません。ダンボールCRF450RALLYはその寸法もあっているのかも怪しいので「たぶんいいだろう」の連発で完成。
この写真を見た友人は「ノグチロゴでかすぎ!君には遠慮と言うものがないのか?」と言われましたが、でかいロゴで!と言うリクエストに疑いもなく応えた結果なのです。
単に被せるだけのカバーでは職人としてのプライドが許しません。
底部にはベルト固定や巾着ヒモなどをつけて、風で飛んだり膨らんだりしないような工夫もしています。
そして、このカバーを作った職人のナイスアイデアでカバーに収納袋をドッキングさせました。
カバーを外しシートの上でたたんで丸めていくと、カバーの裏側に固定された収納袋が出てきてそこにしまいこむ感じです。
これは間違いないのですが、カバーと収納袋を別々にすると
「必ずなくす!」
南米の強い風に人知れず飛ばされていく収納袋が職人に見えたんだと思います。
シートの上でたたむという行為も重要なんです。カバーと言えども汚したくありません。トップライダーの名前と、その中に隠れているマシンのためにもカバーはきれいなままがいいんです。
肝心の「本物のマシンにちゃんとカバーはフィットしたのか」これが一番気になっていたんですが、少々きつい部分もあるけれど無事装着できたよ!と連絡を受け一安心。
いい感じ!
さぁ、あと2週間です。合計8台のCRF450RALLY。 その全てにノグチシートが装着されていると言う事実に自分の事ながら始まる前から鳥肌たっています。
スタート前の現地情報も入り次第流していきます。